研究成果発表と国際人材育成に関する講演

研究成果発表と国際人材育成に関する講演

新潟経営⼤学 西村ゼミ 地域・商店街活性化に関する発表会
日時: 2025年3月21日(金曜日) 13時30分~15時00分(所要時間:1時間30分)
場所: 山重 山の蔵

発表1:SNSとリンクしたモバイルオーダー開発と地域eコマース化

地域活性化を目指すSNS連携モバイルオーダーアプリ。特にキッチンカーに焦点を当て、注文、調理動画配信、受け渡し通知、くじ引き機能、SNS共有による無料PRといった特徴を持つ。高校生が技術サポートを提供し、ワンオペのキッチンカー向けに音声操作も検討。初期トライアルでは顧客の不安も見られたが、授業での評価は実用性、面白さ、達成感が高く、来年度はAI分析も導入予定。固定店舗への応用も期待され、地域活性化への貢献が期待される。

発表2:加茂市商店街が抱える課題の可視化と産官学の関りについての検討 株式会社civichub 波塚飛鳥 代表取締役

本発表は、加茂市商店街の課題を可視化し、産官学連携の可能性を探ることを目的としている。人口減少による地域衰退が進む中、商店街は単なる商業施設ではなく、地域コミュニティとしての役割も求められている。調査では、約65%の店舗が「イベントが売上向上に寄与していない」と回答し、来場者と顧客層のズレが課題として挙げられた。一方、SNSやホームページを活用する店舗は売上の減少が少なく、デジタルマーケティングの重要性が示唆された。学生との連携を強化し、SNS運用支援などを行うことで商店街の活性化が期待される。また、大学との長期的な協力体制を構築し、イベントの効果測定を行うことで、持続可能な活性化策を検討する必要がある。

発表3:加茂市商店街のインスタ運用について

大学生が地元店舗のインスタグラム運用実証実験の結果報告。ぱすたみすた、CafeLithは既存ブランドからの変化が難しく伸び悩んだ。一方、ありもとは学生の顔出し投稿と山重とのコラボでリーチ数を大幅に増加。Bar Hero’sは若者向け飲み放題プランで高いエンゲージメントを獲得した。考察として、学生や加茂ブランドという強みをコラボレーションなどで増強することが成功の鍵となる。来年度は、この結果を踏まえ、店舗の経営に深く関わる形でのSNS戦略を作成していく。

発表4:日本とベトナムにおけるオンラインマーケティングが消費者の購買行動に与える影響に関する比較研究―ベトナム市場開拓に向けた新潟県菓子ブランドの販路拡大プロジェクト―

新潟県菓子ブランドのベトナム市場開拓を目指す日越学生連携プロジェクト。経済成長著しいベトナムで、日本菓子の「安全・高品質」イメージを活かし、若年層をターゲットにSNSマーケティングを展開。商品開発では、現地の嗜好に合わせた味やパッケージを共同で企画。成功例として、加茂市商店街のSNS運用やさきたま国際学院との連携を挙げ、国内販路での試験導入も強み。InstagramやTikTokを活用した情報発信や、両国のお菓子食べ比べ、購買行動調査を実施。地域企業の販路拡大、学生の国際的視野育成、他地域への応用が期待される。

講演:日本語教育と外国人人材の未来 ~地方創生型循環型人材サービスというイノベーション~ さきたま国際学院株式会社 松本昌幸 取締役

さきたま国際学院の松本氏が、地方創生と外国人材の未来について講演をおこなった。日本語教育は単なる語学習得でなく、社会適応とキャリア形成の要である。外国人労働者は日本語力や労働環境で課題に直面している。地方は深刻な人手不足であり、質の高い外国人材の育成と受け入れが急務となっている。ベトナム人の対日イメージは世代で異なり、円安で日本留学・就労の人気は低下傾向である。加茂市の産業(木工・家具・金属加工)とベトナムを直接繋ぐ「循環型人材サービス」を提唱。これは、母国教育、日本語学校での学び、日本での就労・スキル習得、キャリア選択、日本企業と連携した現地ビジネス展開のサイクルで、東京を経由しない地方創生型の国際モデルとなりえる。単なる労働力確保ではなく、人材・教育・文化交流を通じた長期的な信頼構築を目指す。松本氏は、自身のネットワークに基づく信頼で国際人材育成ビジネスを成功させてきた経験から、地方こそ国際人材と持続的に成長すべきだと強調した。

Comments

“研究成果発表と国際人材育成に関する講演” への6件のフィードバック

  1. 大滝悠生のアバター
    大滝悠生

    私はこの発表を視聴して感じたことは、まずキッチンカーについてです。キッチンカーは色んな場所に行き多種多様に利用できますが、お客様がメニューを見にくかったり一番は新潟は天気があいまいな部分があり、たくさんのお客さんが来ることを考えると屋根があるところなど屋根を配慮することが必要だと思いました。そして、SNSではただ載っけているだけではオススメに載りにくいし、たくさんの人が検索するハッシュタグをつけたりすることや、バズりやすい時間帯が肝であり、人間が携帯を多く利用する時間で19時から21時を目安として投稿することが大切だと感じました。多くの人がSNSを利用していますが、お年寄りの方や小中学生など利用していない方にも発信できるように、発信する方法はたくさんあると感じました。例だとチラシを配ったり、テレビで発信することが必要だと思いました。しかしチラシ配りでは難点があり、アルビレックスの勧誘でビラ配りをしてる方を見ますが捨てられているところを多々見つけるのでチラシ配りでは念入りに考えた方がいいと思いました。

    1. nishimura-adminのアバター
      nishimura-admin

      貴重なご意見ありがとうございます!キッチンカーのメニュー見やすさや天候対策は重要ですね。SNSのハッシュタグや投稿時間帯も参考にさせていただきます。チラシについては、ご指摘の通り工夫が必要だと感じました。SNS以外へのアプローチも検討していきます。いただいたご意見を今後の研究に活かしましょう。

  2. 五十嵐仁義のアバター

    新潟県菓子ブランドのベトナム市場開拓を目指す日越学生連携プロジェクトこの取り組みは、ベトナム市場の成長性を捉え、日本菓子の「安全・高品質」なブランドイメージを活かしたSNSマーケティングを展開する点で、非常に戦略的で興味深いと思った。特に、現地の嗜好に合わせた味やパッケージを共同開発することで、単なる輸出ではなく市場に適応した展開を目指している点が印象的だ。これは、文化や消費者ニーズを深く理解したマーケティング手法として有効であり、成功の鍵になると感じました。加茂市商店街のSNS運用やさきたま国際学院との連携といった国内の成功事例を活用し、国内販路での試験導入を経て展開する点も、実証実験として優れたアプローチだと考えられます。InstagramやTikTokを活用した情報発信、両国のお菓子の食べ比べや購買行動調査など、消費者のリアルな反応をデータとして蓄積することで、より精度の高いマーケティング戦略が可能になる点も魅力的です。

    1. nishimura-adminのアバター
      nishimura-admin

      コメントありがとうございます。プロジェクトについて深く考えていただき、とても参考になるご意見、嬉しく読ませていただきました。

      おっしゃる通り、ベトナム市場の成長性に着目し、日本のお菓子が持つ「安全・高品質」という強みを活かしながらSNSで展開していく点は、このプロジェクトの戦略的なポイントだと考えています。

      特に、現地の嗜好に合わせて味やパッケージを共同開発するという「市場への適応」を重要視されている点、素晴らしい視点だと思います。ご指摘の通り、文化や消費者ニーズを深く理解することが、海外市場で受け入れられるための鍵になりますね。

      また、加茂市商店街のSNS運用(国内の事例として挙げていただいたのですね)や、さきたま国際学院との連携といった国内での経験を活かし、実証的に進めるアプローチについても、その有効性を評価いただきありがとうございます。ステップを踏んで展開することの重要性を再認識しました。

      InstagramやTikTokでの発信、食べ比べや購買行動調査を通じて消費者のリアルな反応をデータとして蓄積し、マーケティングの精度を高めていく点も、的確なご指摘だと思います。

      このプロジェクトは、ビジネス面だけでなく、参加する日越の学生たちが異文化を理解し合い、実践的なスキルを身につける良い機会になると考えています。Z世代の学生ならではの柔軟な発想や視点が活かされることも大いに期待しています。

      鋭い分析と温かいご意見、本当にありがとうございます。大変参考になりました。

  3. 富井友紀のアバター
    富井友紀

    発表4のベトナム進出では、国を超えたビジネスの挑戦がとても面白いと思いました。特に、日本のお菓子が「安全で高品質」というイメージを持たれていることを強みにしながら、現地の人の好みに合わせて商品を開発する点は興味がわきます。
    また、InstagramやTikTokを使って情報を発信することで、若い世代に広く知ってもらえるというのは、手っ取り早い方法だと思いました。最近では、SNSを見て商品を買う人が増えているので、この方法は効果的だと思います。さらに、日本とベトナムのお菓子を食べ比べたり、消費者の購買行動を調査したりすることで、より良い商品作りにつながるのも良い工夫だと思いました。

    このプロジェクトは、地域の企業を元気にするだけでなく、参加する学生たちが国際的な視野を広げる機会にもなっています。将来、こうした取り組みがもっと増えれば、日本の商品が世界でさらに人気になるのではないかと感じました。

  4. nishimura-adminのアバター
    nishimura-admin

    おっしゃる通り、日本のお菓子が持つ「安全で高品質」という良いイメージは大きな強みですよね。それを活かしつつ、現地のベトナムの方々の好みに合わせて商品を開発していく、という点に面白さを感じていただけて良かったです。まさに、そこがこの挑戦のポイントだと考えています。

    InstagramやTikTokを使った情報発信についても、「手っ取り早い方法」「効果的」だと感じていただけたのですね。確かに、今の時代、特に若い世代に知ってもらうにはSNSは欠かせませんし、購買にも繋がりやすい有効な手段だと思います。

    また、日本とベトナムのお菓子を食べ比べたり、消費者の皆さんがどういう時に商品を買うのかを調査したりすることは、より良い商品作りや販売戦略に繋がる大切な工夫だと考えています。その点にも注目していただき、ありがとうございます。

    このプロジェクトが、新潟県(ここ加茂市のような地域も含む)のお菓子屋さんをはじめとする地域の企業を元気にする一助となり、同時に、参加する学生さんたちが国境を越えたビジネスを学び、国際的な視野を広げる機会になることを強く期待しています。

    「将来、こうした取り組みがもっと増えれば、日本の商品が世界でさらに人気になるのではないか」というご意見、本当に素晴らしい視点だと思います。私たちもそうなることを願っています。

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