新潟からベトナムへ――“首都圏頼み”を乗り越える産官学連携マーケティング
西村ゼミ(新潟経営大学)は、地域菓子メーカーと学生クリエイター、現地パートナー企業を結び、
「SNS×越境EC」を核にした 実証プロジェクト を始動しました。
本ページでは、研究代表申請書『日本とベトナムにおけるオンラインマーケティングが消費者の購買行動に与える影響に関する比較研究』の概要と、マーケティングアウトソーシング最新動向を中心にご紹介します。
1. プロジェクトの狙い
- 地域ブランド強化: 新潟県産菓子(例:マカロニチップス)をベトナム Z 世代へ訴求
- 学生主体のDX: 授業内で撮影→投稿→効果測定を週次PDCA
- 国際共同研究: ベトナム協定大学・留学生と協働し購買行動を比較分析
2. マーケティングアウトソーシングの潮流
かつては 「地方メーカー → 首都圏商社 → 現地販社」 が定番でしたが、近年は多様化が進行。
JETRO 2024 年度調査では、現地代理店または自社プロモ を選ぶ企業が過半数(54%)に達しています*。
また、デジタル特化型支援企業 の存在感も拡大中。
例えば BeeCruise は年間越境EC流通額 911 億円、支援 6,000 社超を記録。
モデル | メリット | 課題 |
---|---|---|
① 首都圏一括委託 | 輸送ロット集約/調整が楽 | 重層マージン/情報が間接的 |
② 現地・デジタル直契約 | コスト圧縮/SNSデータを即取得 | 自社でKPI管理・多言語対応が必要 |
③ 本プロジェクト(産学協働) | 制作原価のみ/教育・地域波及 | 学生マネジメント体制の構築 |
*JETRO「海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編 2024)」より。
3. 拡大するベトナムSNS市場
- TikTok Shop: ECプラットフォームシェア約 20%(2023 年)で急伸。
- インフルエンサー経由購買: 消費者の 79% が「購入経験あり」。
デジタル施策の即時性と低コスト優位を活かし、学生制作UGC × KOL コラボ による
「リアルタイムPDCA型マーケティング」を実証します。
4. 本事業が提供する “第三の流れ”
- 学生SNSチーム が撮影・編集・投稿を担当し、データを学術的に解析
- 地元メーカー が迅速に味・パッケージを改良
- 現地代理店 がKOL・広告運用を最適化
これにより、「地方発ブランド → 世界市場」 を最短距離で結ぶ低コスト・高速回転モデルを構築します。
「大学×学生SNS」モデル
特徴 | 具体的な価値 |
超リアルタイムPDCA | 授業内で撮影→投稿→分析→改良を1週間スパンで回せる |
オーセンティックな共感ストーリー | “学生が推す新潟のお菓子”という第三者視点で信頼度UP |
学術研究×ビジネス | SNS解析データを研究成果に、メーカーは実務活用 |
コスト効率 | 学生インセンティブは単位・実践経験。制作費のみで広告費を大幅圧縮 |
地域波及 | 産品ブランド力向上+学生のグローバル人材育成+地域DX推進 |
5. 助成金・支援制度との連携
- JETRO「新輸出大国コンソーシアム」ハンズオン支援
- JFOODO 食品輸出プロモーション
- 大学の国際交流補助・地域創生交付金 など
公的プログラムと民間デジタルソリューションを掛け合わせ、CPA 最小化 × 学生実践教育 を両立します。
6. 今後のマイルストーン(2025―2027)
- 2025.4 – 8
- 国内試作品開発・介護施設実証
- 2025.9 – 12
- ベトナム大学と共同マーケティング/SNSキャンペーン開始
- 2026.1 – 3
- 効果測定・成果報告、次年度企業横展開マニュアル作成
- 2026.4 以降
- 県内菓子メーカー 3 社以上をベトナム販路へ導入
7. お問い合わせ
西村ゼミ(新潟経営大学)
メール: ko-nishimura@duck.niigataum.ac.jp
※ 詳細資料・共同研究パートナー募集要項は別途お送りいたします。